“こころ”と“からだ”のリハビリテーション。臨床の現場で通用する知識と技術を備えた人間性豊かな作業療法士を養成しています。
リハビリテーション対象者の多くは心と身体の両面の支援を必要としています。作業療法士は、身体機能はもちろんのこと心理・社会面を含め総合的にアプローチをするリハビリテーション専門職です。対象者の多様なニーズに応え、リハビリテーション・チームで活躍できる豊かな人間性を備えた作業療法士を育てます。
学びのポイント
段階を踏んだ豊富な実習と学生主体の授業で様々な対象者がかかえる問題を解決する能力を養います。
- 豊富な実習で確かな知識と技術を修得
- 臨床実習は1年次の見学実習から4年次の総合実習へと段階的に積み重ね、4年間で1,395時間!実習施設は病院の他、リハビリテーションセンター、介護老人保健施設、通所リハ等多岐にわたります。
- 問題解決能力・コミュニケーションスキルを磨く
- 対象者の心身機能、活動、社会参加に及ぶ複雑な問題を解決し、より良い生活をデザインするのが作業療法です。学生主体の授業を多く取り入れ、問題解決能力とコミュニケーション力を身に付けます。
- 予防・教育・職業的リハビリテーションを学ぶ
- 高齢者がいきいきと生活できるように介護予防のリハビリ手技を学ぶことで、地域貢献できる人材を育てます。また、発達に遅れのある子どもの教育的リハビリや若い対象者の就労支援の取り組みを学びます。
- 最新設備で作業活動の治療特性を多角的に学ぶ
- 対象者の作業活動の状態を把握し、より適した作業活動を治療手段として提供するために、三次元動作解析装置、筋力測定器、重心動揺計や各種心理検査等の機器・設備を整えた学習環境で実践的に学びます。
学科の特色
作業療法士が接するのは子どもから高齢の方までであり、障害の程度や本人が求める機能回復・支援も様々です。対象者一人ひとりの心身の問題から就労に関することまで、実践的な知識や技術を豊富な実習とともに学びます。
基礎分野 … 科学的思考の基盤、人間と生活、社会の理解
専門基礎分野 … 人体の構造と機能及び心身の発達、疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進、保健医療福祉とリハビリテーションの理念
専門分野 … 基礎作業療法学、作業療法管理学、作業療法評価学、作業療法治療学、地域作業療法学、臨床実習
分野 | 1年次 | 単位 | 授業時数 |
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1年次総授業時数/975(34単位) | |||
基礎分野 | モラル学 | 1 | 15 |
情報処理 | 2 | 60 | |
国語表現法 | 2 | 30 | |
体育実技 | 2 | 90 | |
総合英語Ⅰ | 2 | 30 | |
総合英語Ⅱ | 2 | 30 | |
人間関係論 | 2 | 30 | |
専門基礎分野 | 基礎解剖生理学 | 3 | 90 |
運動機能解剖学 | 1 | 30 | |
神経解剖生理学 | 1 | 30 | |
内臓解剖生理学 | 1 | 30 | |
体表解剖学実習 | 1 | 45 | |
解剖学見学実習 | 1 | 45 | |
生理学実習 | 1 | 45 | |
運動学Ⅰ | 2 | 60 | |
運動学Ⅱ | 1 | 45 | |
臨床心理学 | 1 | 30 | |
リハビリテーション概論 | 1 | 30 | |
チーム医療論 | 1 | 15 | |
専門分野 | 作業療法概論 | 2 | 60 |
基礎作業学実習 | 1 | 45 | |
職業倫理学 | 1 | 15 | |
作業療法評価学 | 1 | 30 | |
作業療法見学実習 | 1 | 45 |
分野 | 2年次 | 単位 | 授業時数 |
---|---|---|---|
2年次総授業時数/1,065(34単位) | |||
基礎分野 | 医学英語 | 2 | 30 |
専門基礎分野 | 人間発達学 | 1 | 30 |
病理学 | 1 | 30 | |
整形外科学 | 2 | 60 | |
内科学 | 2 | 60 | |
神経内科学 | 2 | 60 | |
精神医学 | 1 | 30 | |
小児科学 | 1 | 30 | |
老年医学 | 1 | 30 | |
一般臨床医学 | 1 | 30 | |
地域包括マネジメント論 | 1 | 15 | |
専門分野 | 病態運動学Ⅰ | 2 | 60 |
病態運動学Ⅱ | 2 | 60 | |
作業療法評価学実習Ⅰ | 3 | 90 | |
作業療法評価学実習Ⅱ | 1 | 45 | |
作業療法治療学 | 2 | 60 | |
義肢装具学Ⅰ | 1 | 30 | |
日常生活活動学 | 2 | 60 | |
地域作業療法学 | 1 | 30 | |
地域作業療法実習 | 3 | 135 | |
精神障害領域作業療法実習 | 2 | 90 |
分野 | 3年次 | 単位 | 授業時数 |
---|---|---|---|
3年次総授業時数/1,140(37単位) | |||
専門基礎分野 | 臨床薬学 | 1 | 15 |
救急救命学 | 1 | 15 | |
公衆衛生学 | 1 | 15 | |
専門分野 | 作業療法研究法Ⅰ | 1 | 30 |
作業療法研究法Ⅱ | 3 | 90 | |
作業療法評価学演習Ⅰ | 1 | 30 | |
作業療法評価学演習Ⅱ | 1 | 30 | |
作業療法評価学総合演習 | 2 | 60 | |
作業療法治療学実習Ⅰ | 3 | 90 | |
作業療法治療学実習Ⅱ | 2 | 60 | |
作業療法治療学実習Ⅲ | 2 | 60 | |
作業療法治療学演習Ⅰ | 3 | 90 | |
作業療法治療学演習Ⅱ | 2 | 60 | |
義肢装具学Ⅱ | 1 | 30 | |
日常生活活動学演習 | 3 | 90 | |
地域作業療法学演習 | 1 | 15 | |
職業関連活動学 | 2 | 45 | |
作業療法評価実習 | 7 | 315 |
分野 | 4年次 | 単位 | 授業時数 |
---|---|---|---|
4年次総授業時数/945(23単位) | |||
専門分野 | 作業療法総合演習Ⅰ | 2 | 60 |
作業療法総合演習Ⅱ | 2 | 60 | |
作業療法管理教育学 | 1 | 15 | |
総合臨床実習Ⅰ | 9 | 405 | |
総合臨床実習Ⅱ | 9 | 405 |
主 任石 垣 純 子
(作業療法士)
- ishigaki@ymisn.ac.jp
- 学生への期待
- 作業療法士は医療と福祉の峡間に位置する職種です。
作業療法の「作業」とは一般的にイメージされる手作業や農耕ではなく、私たちの一人ひとりの生活を育むすべての行為・活動を「作業」と称しています。私たち作業療法士は対象者自身が大切にしている生活に基づいた活動を用いて、障害があっても、高齢であっても「その人らしい生活」を主体的に獲得・遂行するために、心と体に働きかけ治療・支援を行う仕事です。
本校での学びは「自分のために」あり、そして何よりも「患者さんのために」あるのです。4年間の作業療法の学びを通して専門家としてだけではなく人間としても自分自身を成長させ、対象者への「広い視野」と「低い視点」を養ってほしいと期待します。
教 員太 田 健 次
(作業療法士)
- oota@ymisn.ac.jp
- 学生への期待
- 授業で理解できることは限られています。多くの事を吸収しなければならない為、時間の効率を考えながらポイントを把握し、必ず他の知識との関連性を考えることで、理解度が深く、広くなると思います。
教 員石 澤 正 夫
(作業療法士)
- ishizawa@ymisn.ac.jp
- 学生への期待
- 近年、作業療法士の働く環境は「医療、福祉、教育、地域、行政」と活動の場が広がっており、患者様の多様なニーズに応えられる人材が求められる時代になっています。学生時代は、学業や実習と苦労することもありますが、「私は作業療法士になる」そう決意したときから、夢を現実にするためにどんなことにも挑戦し続けていく「勇気」が必要です。本校で学んだこと(学業・余暇・先輩からの指導等)を活かし、当事者中心に考えられる作業療法士になっていただきたいと思います。
教 員内 海 卓 哉
(作業療法士)
- inamura@ymisn.ac.jp
- 学生への期待
- 作業療法は、「作業的存在」として人を取り扱う専門職です。人は作業(セルフケア、仕事、遊び等)を連続的に行いながら生活しています。そのような、当たり前のことが思うように行えなくなってしまった方が作業療法の対象となります。置かれた立場やこれまで送ってきた人生は様々です。例えば、30代の働き盛りの男性、主婦として3人の子供を育て上げた90代の女性・・・・
そのような多様で複雑性を持つ対象者を支援する作業療法士は、他者に興味を持ち、配慮できることが大前提となります。学生には基本的な知識や技術の研鑽はもちろんですが、そういった人間性についても多くの学びを重ねていくことを期待します。
教 員島 田 和 人
(作業療法士)
- shimada@ymisn.ac.jp
- 学生への期待
- 作業療法は対象者が目標とする生活を実現できる、やりがいのある仕事だと思います。そのためにも、学生時代はよく学んだり、実践したり、休憩しながら人生経験を豊かにすることが作業療法士になってからも財産になります。自分の目標を見据えつつ、その時々を仲間や先生と一緒に、一生懸命に取り組むことで、素敵な作業療法士になって欲しいと思います。
在校生からのメッセージ
作業療法学科2年柴田 晴地
(山形県立天童高等学校出身)
作業療法士になるためには専門的な知識や技術などが必要となり、勉強量が多く、その上今まで学んだことのない分野なのでとても大変ですが、先生方は一つ一つ丁寧に教えて下さるので、少しずつ理解を深めることができます。授業はグループワークが活発で、班員の意見を聞くことによって、考え方の幅を広げることができます。勉強は大変ですが作業療法士を志すクラスメイトと分からないところを教え合い、理解を深めていきます。作業療法士という夢に向かって仲間たちと切磋琢磨できる、良い学校です。
作業療法学科4年荒木 俊貴
(山形県立山形工業高等学校出身)
私は、患者さんの気持ちに寄り添い、その人らしい生活が送れるよう支援することのできる作業療法士を目指しています。作業療法士に求められる知識・技術は膨大で、何度もくじけそうになることもありましたが、クラスメイトと切磋琢磨しながら学習を重ね、病院での実習を経て作業療法の有効性と面白さを実感することができました。
学生生活は楽しいことばかりではなく、大変なことや辛いこともありましたが、同じ夢を持つ仲間がいたこと、自分のことのように親身にご指導くださる先生方がいたからこそ頑張ることができたと感じています。
いよいよ4年生となり国家試験を迎えます。今年も作業療法学科一丸となって、国家試験合格をつかみ取るために頑張ります!
卒業生からのメッセージ
〈就職先〉山形大学医学部附属病院(山形県)
作業療法士黒田 朱里
(山形城北高等学校出身)
私は高校生の時に作業療法士体験に参加しました。その際に、患者様1人1人に寄り添いながら、心と身体の両面から治療を行っている姿を見て、作業療法士という仕事に魅力を感じ目指すきっかけとなりました。
学校では、授業や実習などを通して知識や作業療法士に必要なコミュニケーション力を身につけることが出来ました。また、先生方の熱心なご指導と同じ目標を持つ仲間の支えにより、知識だけではなく、人としても成長する事ができました。これからも日々自己研鑽を怠らず、患者様に寄り添える作業療法士になりたいと思います。
〈就職先〉公立置賜総合病院(山形県)
作業療法士小梁川 佑李
(米沢東高等学校出身)
私は、高校時代に病院見学をさせていただき、その中で作業を通して患者様と一緒に治療する療法士の方の姿や、患者様の笑顔を見て作業療法士を目指しました。
学校では、作業療法に必要な勉強や演習、病院での実習を通して心身共に成長することができたと思います。座学や実習で躓くこともありましたが、友人と切磋琢磨することや先生方から手厚くご指導していただいたことで、一歩一歩前進することができました。これからも自己研鑽に励み、一人の療法士として患者様に還元していきたいと思います。
学科長鈴 木 竜 平
(作業療法士)
ただ今は「ひたすら努力」です・・・